2007年6月21日 (木)

女子ボクシングが動き出した

Img_27920001_1  日々のニュースでも話題となっているが、国内のボクシングジムが加盟する日本プロボクシング協会(JPBA)が女子部の設立を日本ボクシングコミッション(JBC)に要請、JBCが認可すれば、年内には女子ボクシングが正式にプロ化される。

 これまで日本女子ボクシング協会が8年に渡り定期開催を続けてきたが、コミッションが認めていないため、世界タイトル戦を除く試合はすべて「非公式試合」扱いとされ、注目度も低かった。

 女子ボクシングが男子の世界に組み込まれるのは、世界的的に見れば当たり前でむしろ遅すぎるぐらいなのだが、いざ新体制でスタートしたらどうなるのか。女子選手の試合の機会は増えるのだろうか、減るのだろうか。そこのところがまだうまく想像できない。どちらにしろ、これまでボクシングに賭けてきた選手たちの労苦を掬い上げる形で、物事が進んでいけばいいと願う。

 認可に先駆けて、7月1日には男子の坂田健司×ロベルト・バスケスのWBA世界フライ級王座統一戦の前座として、女子ボクシングのスパーリングが行なわれる。協栄ジムが招聘したロシア人2名の対戦相手として抜擢されたのは、世界3階級制覇のライカと、日本2階級制覇の藤本りえ。女子ボクシングの実力をアピールするには申し分のない2人だ。

 藤本は拙著『ママダス!』にもお母様とともに登場してもらった。たしか本にも書いたけれど、明るくて話好きな反面、人に気を遣う繊細な部分も持ち合わせている彼女には、どこか人を惹きつける魅力がある。有明コロシアムの大舞台でも、きっと“リングのシャラポア”に負けないオーラを放つことだろう。

 7月1日の前には、やはりお兄様のお墓参りに行くのだろうか。

 

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2006年12月 9日 (土)

女拳闘士・最強祭

Boxing0001 12月15日、新宿・歌舞伎町の新宿FACEで行なわれる女子ボクシング大会「女拳闘士・最強祭」のポスター。

ポスターを作ったデザイナーの伊藤さんも「かなり気に入ってます」と言っていたが、なるほどカッコイイじゃないか。

ポスターの左上に写っているのは、セミファイナルに出場する日本フライ級王者の藤本りえ。6月に不動の王者・猪崎かずみを接戦の末下し、新チャンピオンとなった。今回は王者・挑戦者の立場が逆転、挑戦者・猪崎を迎え撃つ。

藤本は『ママダス!』に登場してもらったのだが、おきゃんでイマドキなところと、繊細なところが常に混在していて、とても魅力的な人間だ。意外にも、というと失礼だが、お母様は穏やかで物静かな感じの方だった。取材当時、体調が思わしくなかった母親を、藤本が心配そうに気遣っていた様子が、とても印象に残った。

今回はエキシビションを含め、ちょっとしたオールスター戦の様相を呈していて、これを見れば女子プロボクシングの今が分かることだろう。

開場は午後5時、試合開始は午後5時30分。平日だけにちょっと早いけれども、時間のある方はぜひ。

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2006年12月 6日 (水)

木村響子と早千予

■現在発売中の月刊誌『実話ナックルズ』(ミリオン出版)で、『ママダス!』にも登場した女子プロレスラー木村響子選手について書いています。

タイトルは「デスマッチ中毒」。

Kimura0001_1   『ママダス!』で取材した時は「ヒールにも挑戦したい」と語っていたが、ヒールはもちろんデスマッチまでやってしまうとは! しかも「蛍光灯デスマッチ」ですよ!

蛍光灯を相手の頭に叩きつけたり、相手の顔面に固定して思いっきり蹴り抜いたり。体中ガラスの破片が突き刺さり、血まみれになり…なぜ、そこまでやる? 彼女はシングルマザーで9歳の娘、花ちゃんもリングサイドで見守っているというのに…。

そのへんのところを彼女に聞いております。

写真は写真家の杉博文さんのブログから拝借いたしました。杉さん、いつもながらすみません。女子格闘家の写真を続々とアップしている杉さんのブログはこちらです。

http://blog.drecom.jp/crazysamurai/

木村響子選手のブログはこちらです。

http://blog.livedoor.jp/kimurarock/

■もう一つ、12月からスタートした電子書店・ミルホンネットで、「汚名~女子キック世界八冠王・早千予(さちよ)の軌跡~」を書いています。Sachiyo_1

これは、前出の『実話ナックルズ』で書かせていただいたのを大幅加筆したもの。「ひき逃げ女子キックボクサー」という汚名を着せられた早千予がいったいどんな人間で、いかにキックに身を捧げてきたかを多くの人に伝えたくて書きました。

読んでいただくには315円かかりますが、興味のある方はぜひ。ここでも杉さんに写真を提供していただいております。相変わらずお世話になりっぱなしです。

http://miruhon.net/?main_page=products_new

早千予選手の所属する白龍(ばいろん)ジムのHPはこちらです。

http://www2.tba.t-com.ne.jp/sachiyo/index.html

ミルホンネットでは1日おきにブログも公開することになりました。この『BLOGママダス!』と同時進行。毎日そんなに面白おかしい日々を送っているわけではないので何やら不安ですが、「事件は頭の中で起こるんだよ!」というぐらい、毎日あれやこれや頭の中だけで「事件勃発→悪戦苦闘→危機一髪→けっきょく支離滅裂」を繰り返しているので、まあ、大丈夫だと思われます。

布施さん渾身のムエマラソンリポート「銀の涙~ムエタイ1556キロ①~」も、同じく315円にて発売中。ぜひ読んでみて下さい。

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2006年10月31日 (火)

女祭り

10月29日、新宿・歌舞伎町にある新宿フェイスという会場に1日いた。

昼の12時半から女子ボクシング大会、17時半から女子キック大会が立て続けにあったのだ。大会名は「女祭り」。名前どおり、両大会あわせて20試合もあり、もうお腹一杯というほど賑やかな祭りそのものだった。

この大会でオープニングマッチを飾ったのが、せり選手。本来は総合格闘家なのだが、今回ボクシングに初挑戦した。

『ママダス!』の感想をいろいろな人から聞くが、かなりの確率で言われるのが「あの、せりっていう選手のお母さん、面白いですね!」だ。

まだ読んでいない方は、ぜひ本屋でパラパラめくってみてもらいたいのだが、せりのお母さんの藍子さんは、ファッションからしてユニークそのものだ。芸術家志望の少女が(実際そうなのだが)そのまま大人になったような感じで、話していてもピュアさとパッションと奔放さに圧倒されっぱなしだった。

http://www.smackgirl.com/corosma060906.htm

このインタビューを読んでもらえばわかるとおり、娘のせり選手は本当に理知的で、「彼女ぐらい頭がよかったら、私の人生も、もう少しどうにかなったのじゃなかろうか」と思ってしまうほどだ。

今大会でせり選手は、ロープの外へ体を投げ出してしまうほど闘志をむき出しにし、判定ドローながら強烈なインパクトを与えた。と思ったら、またすぐに総合格闘技の試合が迫ってきているらしい。彼女は自分のことを「格闘家になりきれていない“格闘家のコスプレイヤー”みたい」と言っているけれど、そのコスプレはどんどん真に迫り、もはや本物と見分けがつかないぐらいになっていることを、きっとまだ、気づいていない。

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2006年10月27日 (金)

兼光のぞみと小林由佳

0587_0090001 10月21、22日の話になるが、千駄ヶ谷の東京体育館で新極真会主催「全日本空手道選手権大会」が行われ、『ママダス!』で取材させてもらった兼光のぞみ選手(写真)と小林由佳選手が出場した。

小林選手…いや、本でもそうしていたように、ここでもやっぱり「由佳ちゃん」と呼ばせてもらおう。由佳ちゃんは取材した時は19歳。今は20歳になったが、この1年の変化というのは、本当にもう2歩も3歩もズリズリと後退したくなるほど驚くべきもので、とにかくキレイになった。そろそろ「由佳ちゃん」と呼べなくなってしまうのではないか。

話し方も、とってもハキハキとして、物怖じしなくなった。「大人の階段のぼる~♪」とH2O気分で歌いたいぐらい、大人になった。感慨にふけりながら『ママダス!』を開くと、そこにはまだ、あどけなくて、モジモジしていて、ちょっとお母さんに反発している“由佳ちゃん”がいる。少女としての焼印がしっかりと押されている。こういう変化を実感すると、あらためて『ママダス!』をあの時期に書いておいてよかったなあと思ったりもする。

変化といえば、兼光のぞみに起こった変化もなかなかのものだ。

『ママダス!』では、彼女にボーイフレンドがいることを数行だけ触れているが、名前までは出していなかった。彼氏の名前は山田一仁さんといって、新極真会が期待する若手一番のホープ。インタビューの時、兼光選手は「結婚もまあ、ゆくゆくは…」とニコニコしながら言っていた。

その「ゆくゆく」がおおいに早まり、兼光選手と山田選手はこの6月に入籍した。山田選手が神戸明石道場をオープンすることになり、彼女もついていくことになったからだ。『ママダス!』出版後、初の寿ニュース。これからきっと、何回も何回も、私は嫁いでゆく選手たちに「おめでとう」を言うことになるんだろう。「松本さんも、まだ大丈夫ですよ!」の明るい、いたわりのレスポンスを聞くことになるんだろう。

今大会、由佳ちゃんはベスト8、兼光選手は3位入賞に終わった。来年の10月に開催される世界大会出場の権利を得るのは上位2名まで。今回は残念ながら選にもれたが、チャンスは来年もう一度ある。2人の奮闘努力に期待したい。

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